かつてはお口の中の不具合は人の生死に関わらないと考えられておりましたが、もうそのような考えが否定的な時代になってきています。人生100年時代と言われるようになっていることから、少しばかりトピック的に話したいと思います。
1,歯の数と健康寿命
超高齢化社会になっている現代、誰しもの理想は自立して生活を営み、最期までQOLをキープしたいいものです。まさに健康寿命を延伸することがテーマになります。そのために、歯の数が影響していることが明らかになっています。65歳以上で歯の数が20本以上の人と、それ未満の人を比較した場合、歯の数が多いほど健康寿命が長くなっています。
2,歯科疾患と全身の関係
まずは代表的なものとして糖尿病です。糖尿病の第6の合併症に歯周病があり、糖尿病患者は歯周病になりやすく、歯周病患者は糖尿病を悪化させやすいという双方向の関係性があります。また、肺炎などの呼吸器の病気は歯周病だけでなく、虫歯や口の中の不衛生によって引き起こされます。最近では認知症のリスクに歯の本数が関係していることもわかってきています。一方で、口腔内の不具合の放置によって全身的な医療費が高騰するという側面も考えられます。
3,歯の数と死亡リスク
死亡リスクに最も関係するのは「年齢」ですが、「現在歯数」も死亡リスクに大きく関係しており、特に男性では喫煙、高血圧、飲酒などに比較して「現在歯数」の方が高い死亡リスクになったという結果もあります。このことから歯の数が多いほど死亡リスクを減らせる可能性があるということです。
以上のように全身の健康を獲得するためにお口の健康をスタート地点と考え、定期的な歯科受診を必須とすることをお勧めします。
新潟市歯科医師会 総務部 阿部祐三