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人の歯は15歳位までに上下28本の歯が生え揃います。その後、20歳頃から後に永久歯列の一番奥に親知らず(智歯)が生えてきます。
現代人の8割が親知らずの生えるスペースが無く(7人掛けのベンチに8人が座ろうとした情況の様)、人によっては顎の骨の中に埋まったままになってしまう場合や、正常な向きに生えなく、生えてくる時に痛みや熱が出たりする事もあり少々厄介な歯です。
親知らずが正常な向きに生え始めたとしても、生え始めから頭の部分(歯冠)が顔を出すまでに歯茎が膨らみ、膨らんだ部分が対合の歯や歯茎に当たり炎症が起きることが多いのです。
また半分歯茎のなかに埋っていたり、傾むいたりして真直ぐに生えていない場合、歯茎の周囲には食べ残しが溜まりやすく、炎症を起こしやすい状態になっています。歯茎の腫れがひどい時は歯科医院で診てもらって下さい。
歯槽膿漏に罹り、進行すると歯を支えている組織が失われていきます。
最終的には歯を支えている骨(歯槽骨)が失い、かなり、グラグラし、噛む事が不可能になります。 そうなると当然、抜かざるを得ません。
例えば、一本の歯だけが、グラグラし、失うだけで済まされれば良いのですが、 隣の歯にも架かる骨が失われてゆきますから、当然、進行すると、隣接する歯もグラグラし、失う可能性が高いです。
このように、連鎖的に、隣接する歯にも大きな影響を与え、結果、噛み合せが悪くなり、或いは、噛めなくなり、全身的にも影響を与えてしまいます。ですから、早めに、歯科医院へ行かれる事を、お勧めいたします。
外力により歯が骨から離れるような状態が生じることがあります。これを脱臼といいます。これは歯を骨に固定している歯根膜という組織に断裂が外力により生じたことを意味します。 脱臼には歯が骨から完全に離れて、抜け落ちてしまうような完全脱臼から、一部の歯根膜が断裂しただけの不完全脱臼まで様々な脱臼の状況があります。
抜けた歯を助ける最もよい方法は歯を自分でまずもとの位置に戻してみることです。もちろん地面に落ちた歯は水道水で洗ってから戻します。
しかし、水道水で洗うのは30秒以内くらいにしましょう。なぜなら水道水に長時間歯を漬けると歯根膜が死んでしまうからです。
もし抜けた歯を戻せない場合は、口の中に入れて保存をします。ただし飲み込んでしまわないように注意が必要です。歯を唇と歯ぐきの間に入れておくと飲み込む心配がありません。もしすぐに牛乳が手に入るなら牛乳の中に保存します。そしてできるだけ早く歯医者さんに行きましょう。
脱臼の中でも歯が完全に抜けてしまうような場合を脱落とよびます。脱落はすぐに手当てをすれば歯を助けることができます。
たとえばA子さんはソフトボールが顔に当たり前歯が2本抜けました(上図)。
しかし、すぐに歯医者さんで元に戻してもらい、歯が助かりました。外力により歯が抜ける場合、歯根膜のほぼ中央で断裂が起きます。すなわち歯根膜の半分は、歯についたまま抜けます。ここで大切なのは、抜けた歯が助かるかどうかは、この抜けた歯についている歯根膜が生きているかどうか、にかかっているということです。
もしいきていれば歯を元の骨の穴(抜歯窩)に戻す(再植する)ことにより、歯は再び機能を回復します。また、歯の根っこの先がまだ完成していない歯では、再植後に神経が生き返ることがあります。歯根膜は乾燥に弱く、口の外ではおよそ30分ぐらいしか生きていません。
したがって歯が抜けてから30分以内に歯医者さんに元に戻してもらうか、自分で戻すことが重要です。歯根膜を長く生かしておくためには、抜けた歯を口の中に入れておくか、牛乳の中に漬けておくのが最良です。こうすることによって歯根膜を数時間生かしておくことが可能です。
(左) 若い永久歯の脱落を示す模式図。歯根膜はほぼ中央で断裂し、歯の神経は根の先で切断されています。
(右) 再植後の状態。脱落歯をすぐに元の骨の中に戻せば、歯根膜は生き返ります。さらに、根が完成していない歯では、歯の神経が先から徐々に生き返ります。
脱落歯が1時間以上乾燥状態に置かれると、歯根膜はほとんど死んでしまいます。
歯根膜が死んでしまった歯を元に戻すと、歯は吸収され骨に置き換えられてしまいます。A君は8歳のとき、転んで顔を打ったときに舌の前歯が抜けました。
歯を戻したのですが残念なことに、2年後には歯の根っこの部分はほとんどすべて吸収されてしまいました。これは戻した歯の歯根膜が生きていなかったためと考えられます。このようなことにならないためには、けがで歯が抜けたらまず歯をさがすこと、次に歯を口の中で保存しながら、歯医者さんに行くことです。夜や休日では自分で歯を元に戻すようにします。
「知っててよかった!歯のけが、口のけが」著者:月星光博
クインテッセンス出版2005
6-8ページから引用
(引用にあたり著者に許可をいただいております。)
急に歯が痛くなったり、歯ぐきが腫れたりした事はありませんか?
症状とむし歯の進行状態を載せましたので参考にしてください。又、注意点も記載しました。
エナメル質という硬い組織で覆われその下に象牙質があります。
歯髄は神経と血管が通っており、象牙質の中にも象牙細管という細い管が存在しその中にも神経、血管があります。
エナメル質がむし歯ではなく、磨耗や噛み合わせなど物理的な原因で欠落した状態です。
細菌によってエナメル質が冒された状態
細菌に象牙質にまで冒された状態
細菌に歯髄(神経)まで冒された状態
歯髄が死んで、歯髄が通っていた管(根管)が完全に細菌で汚染された状態で進行すると根元に膿が溜まり歯ぐきが腫れる
① 急に冷たい物が一瞬、しみるようになった。
→(A) 象牙質知覚過敏症 か(C) C2
※早めに歯科医院へ行けば神経は助かります。
② 急に冷たい物が持続的に、しみるようになった。
→(C) C2 か(D) C3
※神経が細菌に冒されている可能性があります。さらに痛みが強くならない内に歯科医院へ行ってください。
③ 急に何もしていなくても痛み出した(自発痛)
→(D) C3 か(C) C2(C3の可能性の方が大)
※神経が細菌に冒されている可能性が多いにあります。しまいに夜眠れなくなるほど強い痛みになりますので早めに歯科医院へ行ってください。
④ 暖かい物を飲むと痛みが増し、噛み合わせただけで強い痛みが出る。
→(D) C3
※完全に細菌に神経が冒されています。 完全に神経を取らないと痛みを取り除く事は出来ませんので早めに歯科医院へ行ってください。
⑤ 根元の歯ぐきを押さえると痛み出す。又、かみ合わせても痛い
→(E) 神経が死んでいる状態
※神経が死んで、根元に膿が溜まっています。このままですと、どんどん腫れてきて強い痛みが出ますので早めに歯科医院へ行ってください。
以上記載した事はあくまでも、学術的な事ですので、 個人差があり、必ずしも100%合っているとは限りません。必ず歯科医院で確かな診断をして貰ってください。
① 痛みがあり、むし歯の部分をつまよう枝などで、いじらないでください。かえって痛みが増し、悪化します。
→(C) C2、(D) C3、(E) 神経が死んでいる状態
② 痛みが強い時、アルコールを飲むと痛みが強くなる事があります。
→(D) C3、(E) 神経が死んでいる状態
③ 痛みが増すような刺激(冷水、温水、噛み合わせ)は避けた方が良いです。痛みがある側での食べ物の咀嚼は避けた方が良いです。
→(C) C2、(D) C3、(E) 神経が死んでいる状態
④ 歯ぐきが腫れている場合、次の事に注意してください。
抜歯後帰宅したら、出血してきた。 そんな時の対処法の一例を載せました。参考にしてください。
※などが挙げられますが、とにかく、逆にあまり神経質にならずに、その日は早めに寝てください。
① 歯垢
口の中の食べかすに細菌が繁殖したもので、虫歯、歯肉炎 の原因にもなります。虫歯が多くあると、或いは、進行すると神経が腐り、ちょうど肉が腐った臭いの口臭の原因になります。
② 歯肉炎、歯周病
歯ぐきが炎症を起こし、歯ブラシを当てただけで出血しやすくなります。悪化すると歯周病になり、歯ぐきからウミがでます。それが口臭の原因になります。
③ 義歯、クラウン、ブリッジ
義歯、クラウン、ブリッジの歯垢、合っていない入れ歯、冠があると、すき間ができ、食べかすが溜まりやすくなり、それが発酵すると臭いの発生源になります。
④ 舌の垢(あか) 舌苔(ぜったい)
食べかす、細菌、剥離した舌の粘膜が、舌の表面に苔状につくもの。それが臭いの発生源になります。
① ブラッシング
臭いを消す薬品を使用するのも良いかもしれませんが、あくまでも、一時的な効果を期待するものです。それよりも、ブラッシングをして、お口の中をきれいにしておきましょう。
② 虫歯、歯肉炎、歯周病の治療
虫歯、歯肉炎、歯周病に罹っていると思われる場合は、歯科医院へ行って治療してもらってください。
③ 歯科医院で調べてもらう
虫歯、歯肉炎、歯周病に罹ってなく、ブラッシングしても口臭が改善されない場合は、歯科医院で一度、調べてもらってください。
皆さんが歯並びに関する治療をしたいと思う動機は
かですね。ここでは歯科矯正治療の疑問にお答えしたいと思います。
ただ、顔が一人一人違うように同じように見える症例でも治療方針や治療期間が全く異なります。
細かい事全てにおいて一人一人違いますので、ここでの回答はあくまでも目安である事をご理解頂きたいと思います。
歯並びの治療は気がついた時すぐに歯科医師に相談しましょう。
矯正科の専門医の診断が必要な時には専門医をご紹介します。
矯正治療は、治療を開始する時期により2種類に分けられます。
まず、上下の永久歯の前歯がほぼそろった時期(混合歯列期)に行なう治療を、第一期治療、永久歯列期(下顎第二大臼歯が出てくる時期が目安ですが、骨格性の下顎前突は別)に行う治療を第二期治療といいます。
第一期治療は、永久歯がまだたくさん骨の中に埋まっている状態で行なう治療ですから、きっちりした咬み合わせ(咬合)を作るというよりは、むしろ予防的な意味での咬合関係の改善が治療の主な目的になります。
上下の歯の咬み合わせが反対になっている場合(反対咬合)や、上顎が下あごに対して大きい場合(上顎前突)、奥歯が咬み合っているのに前歯が全くかみ合わない(開咬)などのように、成長や機能(呼吸や嚥下)に悪い影響を与えるケースはこの時期に治療を行ないますが、単に歯並びが悪いだけの場合は第二期まで待たなければならない場合もあるわけです。
第一期治療を行なった人の中には、その治療だけで以後の成長や永久歯への交換がスムーズに進むことでほぼ問題のない永久歯列が完成し、それ以上の治療を必要としない場合(1~2割程度)もありますが、歯と顎の骨の大きさの不調和や、上下顎の成長の不調和などにより、永久歯がほぼ出揃った時期に第二期の治療が必要になる場合があります。
よって、矯正治療を受ける方は、時期によって3つのパターンに分けられます。以上の3パターンでそれぞれ治療費の総額が変わって来ます。
また、費用に関しては、使用する材料、専門医個別の技術料等多少の差が出てくる事をご理解頂きたいと思います。
最近、歯が何らかの病気(虫歯、歯周病など)により無くなった状態を補う方法として、インプラントという方法があります。
以前の方法としては、義歯(いわゆる入れ歯)やブリッジ(なくなった歯の両脇の歯を削って橋渡しの状態でかぶせる)という方法でした。
インプラントとは、歯を支える骨のところに金属(主にチタン金属)のねじを埋め込みそこに冠(かぶせもの)をはめ込む方法です。
利点としては、両隣の歯を削る必要がないことや入れ歯のように取り外しの必要がありません。また、食事のときにご自分の歯のような感覚で行え、見た目もご自分の歯とあまりかわらないことです。
欠点としては、費用が高額なことや治療の期間が長くかかること、場合によって(主に支えるために必要な骨がない場合)植えることができない場合があることです
方法にもよりますが、一般的に手術代と上部(冠)の装着代が総費用となりますが、おおむね20~60万円です。診療所により、手術代のみまたは全額の費用込みと、提示方法が異なりますので確認をしてください。
埋め込む場所の状態によりますが、抜歯直後にはインプラントを支える骨がありませんので、埋め込むことが困難です。
よって、抜歯した後の傷口の回復をまって埋め込むことになります。
埋め込みに関しては、1回法と2回法という二つの方法があり、それによって治療の期間が異なります。
1回法では、埋め込んでから、最終的に冠を被せて噛めるようになるまで約4ヶ月、2回法で約6ヶ月です。
インプラントは、ご自身の歯のように噛めますが、やはり手入れはきちんと行っていかなければいけません。手入れを怠ると、稀に歯周病のようにグラグラすることがでてきます。一生ものといわれますが、手入れをかかりつけの歯科医院と協力して行いましょう。
また、インプラントは現在一般的な方法になりつつありますが、まだすべての歯科医院では行われてはいません。また、同じインプラントでも、術式や費用、期間が異なりますので、詳しく説明を受け確認をされるといいと思います。
結論から言うと、喫煙によってむし歯ができることはありません。
しかし唾液の量が減ることにより自浄作用が低下して歯垢(しこう)がおちにくくなり、むし歯になりやすい状況にはなります。
また、歯肉の病気(歯周病、歯肉炎)を悪化させる原因であることは良く知られています。唾液量の減少に加え、たばこに含まれるニコチンには血管収縮作用があるため、歯肉の血行が悪くなりそのために、歯肉に酸素や栄養が行き渡らず、歯肉の抵抗力が弱まり歯周病を進行させます。
以上の理由から、喫煙はお口の健康に百害あって一利なしといえるでしょう。
力のない幼児やお年寄りに適した方法。
噛み合わせた状態で、歯ブラシを歯にたいして垂直に当て、円を描くようにして上下の歯を一緒に磨きます。
歯の裏側は毛先を当て小さく前後運動させてみがきます。
★★★ビデオ映像での解説があります。(Windows版のみ)
歯と歯ぐきの境目や奥歯の裏側、噛み合わせ面の歯垢をもみ出す方法。
毛先を歯の表面に垂直に当て、細かく(歯一本分程度)前後に動かして磨きます。力を入れすぎると歯ぐきを傷つけるので注意しましょう。
★★★ビデオ映像での解説があります。(Windows版のみ)
歯周病の予防・治療に効果的な方法。歯と歯ぐきの間の歯垢を取り、歯ぐきをマッ サージします。毛先を歯と歯ぐきの間に45度の角度で当て、歯と歯ぐきの間に入れ込むような形で細かく(歯一本分程度)歯ブラシの柄を振動させて磨きます。力を入れすぎたり、硬めの歯ブラシをつかったりすると歯ぐきをいためるので注意しましょう。
歯の表面の汚れや歯垢を取り、歯ぐき(歯肉)のマッサージができる方法。
歯ぐきから歯の方へ(上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ)歯ブラシを歯ぐきにあて、歯ブラシを半回転させて磨きます。歯並びがよく、歯ぐきが健康な方に適しています。
いろいろな歯ブラシと補助的な清掃用具(ご自分にあったものを使いましょう)
いびきの原因は色々ありますので、まず専門医にご相談なさることをお勧めします。ここでは、一般的な治療法について、ご説明します。
歯のかみ合わせはかなりデリケートにできています。
たとえば歯科医院でかみ合わせのチェックに使うカーボン紙はおよそ10から50ミクロンと非常に薄くできています。そんなに薄い物でも上下の歯の間に何か入っているなと感じ取れるぐらいです。
それほどデリケートなかみ合わせですから、歯にかぶせたクラウンの高さの不適合、抜歯したあとの欠損の放置による歯列の乱れ、合わない入れ歯・むし歯・歯周病の放置による偏ったかみ癖などが要因になり、さまざまな症状を引き起こします。むし歯でもないのにかむと歯に痛みがあったり、一本の歯だけ急にぐらぐらしたりと言った場合、かみ合わせに問題があることが多いです。
他に比較的良く知られているのが顎関節症と呼ばれる病気です。上記のような原因で顎関節、周囲の筋肉に過度のストレスがかかり、開口障害(口が開かない・開きにくい)や関節・筋肉の痛み、関節の雑音(クリック音)などの症状が現れます。
また顎の周囲だけにはとどまらず、頭痛や肩こり、耳が聞こえにくいなどの影響が出ることも考えられます。(ただし顎関節症や頭痛肩こりといった症状がすべてかみ合わせが原因であるとは限りません。)
以上のようにさまざまな影響が考えられるかみ合わせですが、全身的な不調には何処まで関与しているのでしょうか?
WEBサイトの中にはかみ合わせの治療で何でも治癒する!ようなことが書かれているケースもあるようですが、現状ではグレーゾーンであるとしかいえません。
中にはそれで治癒軽快する例もあるかもしれませんが、調子が悪いからかみ合わせを治療するのではなく、他の治療が効果ないのでかみ合わせも調べてみるぐらいの考えが良いのではないでしょうか。
みなさんは、レーザーと聞くと何を思い浮かぶでしょうか?光で、ジュ―と何かを焼くイメージでしょうか?
歯科医院で使われるレーザーは、光の熱によって焼くこともできます。
また、歯の構造を分解することにより、虫歯をとることもできます。ただ、レーザーにもいろいろな種類があります。
一つ目が、軟組織メインつまり歯茎や舌などに用いるものです。
二つ目は、硬組織メインつまり歯や骨などに用いるものです。
ここでは、レーザーを総合的に解説してみたいと思います。
歯科用レーザーで一体何ができるでしょうか。
例えば、歯茎が腫れてそこを切開する場合に使われたり、歯の神経の治療、歯石を除去したり、口内炎の治療にも使われます。(軟組織メイン)
また、知覚過敏、虫歯の治療などにも使われることがあります。(硬組織メイン)
ここで、一つ補足をいたします。
レーザーでの治療は痛みが全くないということはありません。ただ、虫歯の治療の音や振動が苦手な方には有効だと思います。
また、従来の電気メスに比べ治療の後の痛みが少なく傷の治りも早いようです。
さらに補足としては上にも書いてあるとおり、レーザーにも種類がありますので、レーザーが設置されているところでもすべてが行えるとは限りません。
その点に関しては、かかりつけの先生に聞いてみてください。