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エナメル質形成不全

2020年9月28日

 コロナ禍のため1歳6か月児健診や3歳児健診が中止されていましたが、ようやく再開されました。小さなお子さんの歯科健診が終わりますと、「エナメル質形成不全」の指摘があったという事で、受診される方がいらっしゃいます。母子手帳には当該歯の欄に「EH」と記入されます。保健の指導では、むし歯になりやすい可能性があると歯科受診を勧められると思います。
 エナメル質形成不全とは、歯が作られる時期に全身的あるいはその部分の局所的な原因で歯の表層のエナメル質の形成に何らかの障害が生じた状態を言います。乳歯であれば歯によって作られる時期が異なりますが、妊娠中から出産直後の一時期に生じることになります。
エナメル質形成不全とひとくくりに言っても、軽症から重症のものまであります。受診された方の多くが軽症です。軽症(正確にはエナメル質低石灰化という)であれば、単に歯の表面に部分的な白斑が生じた程度です。硬く滑沢であれば問題になることは少ないでしょう。一応、経過観察を行い、次第に歯質が欠けてくるようであれば、むし歯に準じて対応することになります。より重症になると褐色に見えたり、エナメル質に穴が開いて、歯の一部が欠けたように見えます。欠けた様な状態であれば、既にむし歯と同じ対応した方がよい場合がありますが、低年齢児ですからすぐに治療を始められず、しばらく経過観察をしていくこともあります。いずれにせよ歯科受診して判断し適切な対応をしていくことをお勧めします。
ばばこども歯科クリニック 馬場宏俊

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