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イマジネーション:想像力

2020年10月31日

 ここ数年、毎年、保育園で保護者を対象に「歯について」講話をしています。その際に、特に若い保護者の皆様には、子供の歯を健康に保つうえで何が大事か想像力を働かせてもらいたいと願っています。想像力を働かせるのに必要な最低限の知識を、講話の中でお話をしています(詳しい内容は省きますが)。

保護者の方が何の疑いもなく思っていることが、「乳児、幼児でもむし歯になったら歯科医院に連れて行って治してもらえばいい」ということであります。
乳幼児と大人、同じように治療ができるでしょうか?
これは歯科の専門的な知識がなくても、なんとなくわかると思います。
答えはできません。
私個人の小児を診る技術では、5歳以上でないとまともな治療はできません。
つまり、自分が何をやられるのか、何のために我慢しなければならないのか、を理解できないと、治療は難しいと思います。
小児歯科専門医は、低年齢の子供を診る技術をトレーニングしているので、一般の歯科医師より、低年齢の子供も適切に治療できるかもしれませんが。
保育園で話をすると、自分の子供に仕上げ磨きができないと話を聞きます。でもこれ、当たり前です。子供によっては小学校にあがっても仕上げ磨きが十分できないこともあります。
子供にとって一番信頼できる、母親・父親が口の中にハブラシ入れて磨くことができないのに、歯科医院で知らないおじさんが来て、いきなり口の中でドリルを回すことはできません。トレーニングして何とか、できるようになっても十分な時間はありません。仕上げ磨きを想像してもらえばわかると思います。
では、何が大事か?フッ素塗布?それも大事ですが、もっと大事なことは、むし歯の原因となる砂糖の摂取を極力さけることです。
清涼飲料水、アメ、アイス、チョコ、クッキー・・・をおやつに与えて、仕上げ磨きができないとどうなるか、想像力を働かせればわかると思います。そこから予防への意識が始まると思うのです。

いとう歯科診療室

伊藤 睦

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