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「むし歯予防全国大会in新潟」を拝聴して

2021年12月25日

10月9日(土曜日)に第42回むし歯予防全国大会in新潟が新潟県歯科医師会館で開催されました。昨年開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で今年に順延されました。このむし歯予防全国大会は、NPO法人 日本フッ化物むし歯予防協会が主催しているもので、これまで新潟県では3回開催され、今回で4回目となります。

今回のテーマは、「フッ化物洗口とともに歩んだ歯科保健活動、50年」でした。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、全国で初めて学校でのフッ化物洗口が行われたのは新潟県の弥彦村です。フッ化物洗口は昭和45年に弥彦小学校で開始され、令和2年で50周年の節目を迎えました。50年前といえば「むし歯の洪水」と言われた時代です。私は10歳くらいでしたが、歯科医院に行くと玄関には靴が溢れ、待合室は人、人、人。子どもながら待合室でタービンのキーンという音に恐怖感を抱きつつ、2時間待って5分の治療。このような時代でした。こういう状況を変えようと、行政、歯科界、大学などが一体となって歯科保健活動を行い、今では新潟県は21年連続で12歳児の一人平均むし歯数が全国一少ない状況になっています。

フッ化物洗口だけでこのような結果になっているというわけではないと思いますが、大きな要因の一つであろうと思います。

また今回の大会ではパネルディスカッションとして「30年後のあるべき姿と今後の取り組みの方向性」が討論されました。人口減少、少子高齢化の進行、様々な格差の拡大等々、50年前とは違う社会構造ゆえに現行の施策がなかなか通用しなくなっているなどの示唆がされました。新潟県歯科保健計画(第5次)には、10年後と30年後の目指す姿が記述されています。10年後の目指す姿として「すべての県民が、歯・口腔の健康が全身の健康につながることを意識し、地域及び関係者等と支えあいながら、自分にあった取り組み方法を選択できる」、30年後の目指す姿として「すべての県民が、歯・口によい生活習慣を日常的に当たり前のこととして取り組み、次世代に受け継いでいる」とあります。

50年前と違い、今ではお口の健康が全身の健康と密接に関係していることも解ってきています。子供の時からのお口に関する良い習慣が大人になっても継続し、次の世代に当たり前のようにつないで行けたらいいですね。

新潟市歯科医師会 会長 荒井節男

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