「歯並び」というと、つい前歯の見た目だけを考えてしまいがちです。たしかに綺麗に整った口元なら健康的であまりトラブルがないように思われます。
しかし体への影響を考えると、前歯の見た目よりも上下の歯がうまくかみ合っているかということがもっとも重要視されます。
「歯並びがいい」=「かみ合わせがいい」とは必ずしも言い切れません。前歯がどんな綺麗な歯並びでもかみ合わせが悪いということは十分あります。上下のかみ合わせが悪いと口の中だけでなく、体の不調を引き起こす原因となっている場合がよくあります。
「頭痛」「肩こり」「あごの痛み、疲れ」「顔のゆがみ」「姿勢が悪い」などは典型的な症状で、そこに無意識のくいしばりや歯ぎしりが寝ている間に起きると状況はさらに悪化します。
また、歯が抜けたまま放っておいたり、虫歯や歯周病でかめない状態が続いて偏った噛み方がクセになると、歯並びやかみ合わせが変化し、あごの動きに調和しなくなって様々な症状があらわれてきます。
鏡を見ても、前歯、奥歯のかみ合わせが理想的かどうかはなかなか自分では判断できません。また、現在食事などに特に不具合がなくても、大きな問題をかかえていて将来的に注意したほうがいい場合もあります。
前述の様な症状が思い当たる人はもちろん、自分の状態を確認したい人は一度歯科医院を受診してみてはどうでしょう。
自分の歯並びやかみ合わせの特徴を知っておくだけでも、とても大事なことです。
学術・医療管理部会 澤田