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子供の歯について

2022年4月25日

子どもの歯、「乳歯」について書いていこうと思います。

「時期」
乳歯は生まれて6か月~9か月頃に下の真中の前歯(下顎乳中切歯)から生え始めます。
その後、多くの場合上下の前歯から順に生えていき、乳歯が奥歯まで全部生え揃うのは2歳半~3歳です。
(生える時期や順番には個人差があります)
ちなみに、永久歯が生え始めるのは5歳半~7歳。
つまり乳歯だけが生えている期間は、乳歯の生え始めから4年半~6年間くらいとなります。

「乳歯と永久歯の違い」
乳歯と永久歯には、大きさ、色、歯質、本数など様々な違いがあります。
〇大きさ
乳歯の後から生え変わる永久歯と比べて
前歯:永久歯より一回り小さい
奥歯:永久歯より一回り大きい
〇色
乳歯は白に近い色をしています。永久歯は乳歯より色が濃く、乳歯の中に永久歯が生え始めると、永久歯がとても黄色っぽく見えます。
〇歯質
エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄などの基本的な構造に違いはありませんが、永久歯と比べて乳歯はエナメル質、象牙質共に薄く、やわらかいです。
〇本数
乳歯は全部で20本
永久歯は28本(親知らずを全部含めると32本)

「乳歯の役割」
噛む、発音はもちろんですが、永久歯にはない乳歯の大切な役割として〈永久歯の誘導〉があります。
乳歯から永久歯に生え変わりの時期に、乳歯の根(歯根)は吸収されていきます。
永久歯は乳歯の歯根が吸収されていくと共に生えてきて、乳歯が抜け落ちた後その場所に永久歯が導かれます。

「乳歯のケア」
小さな子供の場合、自分では十分な歯みがきはできないので、〈仕上げみがき〉が必須になります。
仕上げみがきをする期間としては、小学校5年生くらいまでは仕上げをしてあげることを推奨します。
その理由として
〇子どもが自分の口の中の形、歯の位置、どうやってはブラシを当てればいいのかを理解して磨けるようになるのは年齢的に9~10歳といわれているから。
〇9歳ころから乳歯の奥歯の生え変わりが進み、子供が自分で磨くことが難しくなる場合があるから
また、保護者の方に永久歯の生え変わりを確認してほしいから。
等が挙げられますが、仕上げ磨きに年齢制限はないので、できるならいつまでも仕上げ磨きをしてあげたら良いと思います。他人から磨いてもらう方がキレイになりますから。

「フッ化物の応用」
フッ化物(フッ素)には、歯の質を硬く強くする作用があります。
特に乳歯は永久歯に比べて歯質がやわらかいので、フッ化物の効果を期待したいところです。
フッ化物入りの歯みがき粉(歯磨剤)を毎日使用することをお勧めします。
また、定期的な歯科診療所での健診、フッ化物塗布をしてみてはいかがでしょうか。

それでは
皆さまが「健口」でありますように

新潟市歯科医師会 地域保健部 原 健人

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