いかがお過ごしでしょうか。
今回は「お口ポカン」のお話をします。
お口ポカンとは、いつもお口が開いている状態のことで、近年この状態の子供が増えています。
お口ポカンはさまざまなトラブルを引き起こすことがあります。
日常的にお口が開いている状態には「口唇閉鎖不全症」という病名があり、食べる・話すなどの口の機能が十分に発達していないという病気です。
そしてこのお口ポカン・口唇閉鎖不全症は、「口呼吸」を引き起こしてしまいます。
人間の本来の呼吸は、口呼吸ではなく鼻呼吸です。
鼻呼吸では鼻毛や粘膜がフィルターとして機能して、異物の侵入を防ぎ、空気の温度や湿度も調節し、肺や体の中に入ってくる空気を良い状態にしてくれています。
お口ポカンを治すには、口呼吸を鼻呼吸に変えることです。舌や口周りの筋肉の弱さがいちばんの原因です。
子どもの舌や口周りの筋肉が弱くなっている理由としては、やわらかい食事が多く、食べ物を水などと一緒に流し込んでしまい、噛む回数が減っていることが考えられます。
対処法として、噛み応えのある食べ物を取り入れること、食事の時は飲み物を一緒に出さないことが必要です。また、口笛を吹く・風車を回す・シャボン玉・風船を膨らませるなどといった遊びも取り入れるとお口周りの筋力トレーニングにつながります。確かにこれらの子供の口遊びは少なくなってきているように思います。
テレビやタブレット、ゲームなどに夢中になっているときの姿勢も大きく関与しています。
背筋を伸ばした良い姿勢で、鼻呼吸を意識してみましょう。
それでは
皆さまが健口でありますように
新潟市歯科医師会 地域保健部 原 健人