歯科の2大疾患といえば歯周病と虫歯ですが、それ以外に日常歯科診療の中でよく目にするのが歯がしみること、いわゆる知覚過敏症です。季節を問わず、1日の中で必ずといっていいほど、「歯がしみるんですよねぇ」と訴える方が歯科医院にいらっしゃいます。日本全国津々浦々、これだけ歯科医院があるにも関わらず、某社が知覚過敏用歯磨き剤のCMを年中流しているところを察するに、結構な人数の方がこの症状に悩まされていることが推測できます。かくいう私も冬場になると、歯磨き後のうがいにおいて、この知覚過敏症の症状に一時的に悩まされます。
知覚過敏症の定義は、「冷水や歯磨き時の刺激に対して、歯頚部(歯の頭の部分と歯の根元の部分の中間)や歯根面の知覚が亢進して発症する一過性の疼痛を伴った疾患」とされています。この一過性というのがポイントです。症状のメカニズムについては、詳しくはここでは述べませんが、つまるところ、外部からのストレスが歯の神経を一時的に刺激しているということです。
知覚過敏症を引き起こす、主な原因として、
等が挙げられます。ちなみに私の場合は③が原因ですが、その対策を怠っているが故のものです・・・。
歯がしみる状況にお困りの方は、ご自身で知覚過敏症と安直に判断せず、何が根本的な原因であるかをきちんとかかりつけの歯科医院で診断、そして原因となるものを把握してもらうべきかと思います。結局のところ、そこにターゲットを絞っていくことが治癒の近道かもしれません。
新潟市歯科医師会 口腔保健福祉センター部 駒形 雄気