皆さんは「補綴(ほてつ)」という言葉をご存じでしょうか。
補綴治療とは、むし歯や歯周病、怪我で折れたり欠けたり、抜けてしまった場合に、その欠損した部分を詰め物(インレー)やかぶせ物(クラウン)・ブリッジ・部分入れ歯・総入れ歯・インプラントなどで機能や見た目を補う治療の総称です。
使う材料はさまざまで、金属やポーセレン、セラミック、ジルコニアなども用いられますが、保険適用できるもの、できないものがあります。選択肢が多様化していますので治療の際は先生によくご相談してください。
お医者さんに内科、外科、耳鼻科、皮膚科などいろいろな科があるように、歯科にもいろいろな科があるのです。皆さんに知られているのは口腔外科、小児歯科、矯正歯科だと思いますが、補綴科もあるのです。日本歯科専門医機構では、広告可能な5つの科(口腔外科・歯周病・小児歯科・歯科麻酔・歯科放射線)の認定が終了しています。さらに令和5年5月の理事会において新たに補綴歯科専門医も認定されました。その他にも歯科保存・インプラント歯科・矯正歯科・総合歯科(名称はいずれも仮称)も順次認定を待っているところです。
歯科補綴はQOL(生活の質)を向上させるために大切なお口の機能を治す治療です。
食べる、咬む、飲み込む、話す、歌う、笑う、顔貌を保つなど、お口の機能が認知機能、姿勢、血圧や糖尿病、高血圧など全身にも影響してくるということを知ってください。
今後、「補綴(ほてつ)」という文字が皆さんの住む町の歯科医院でも目にする機会が出てくると思います。
このブログを思い出していただけると幸いです。
新潟市歯科医師会 学術医療管理部 村田容子