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不老不死の妙薬?

2016年3月20日

いつまでも若くそして健康に長生きすることは誰もが持つ夢であることは間違いない。

古代より幾多の文明において「不老不死」についての神話や伝説がみられる。
日本でも、人魚の肉と知らずに食べてしまった少女がずっと同じ姿で八百歳まで生きてしまったという「八百比丘尼(やおびくに)伝説」が有名で、北陸地方のほか広く全国に伝承されているが新潟県においても佐渡ヶ島によく似た話があるようだ。

計算上、人間の寿命は1日あたり5時間も伸び続けているという。

30年後の人類の平均寿命は100歳に達すると予想する研究者もいるらしい。

iPS 細胞や3Dプリンタの応用による臓器生産、100万分の1ミリの精密機械(ナノマシン)が体内を循環して診断と治療をする、等々、昨今の科学技術の進歩を見せつけられるとその
予想も現実味を帯びてくる。

この先、機械の体をもらうために銀河鉄道999に乗ってはるばる宇宙の果てまで行くなんて話にはならなくて済みそうだ。
さらに、長生きどころか不老不死を実現しかねない若返りの薬の開発が近年話題になった。

2013年にハーバード大学とオーストラリア・サウスウェールズ大学の共同研究チームが、NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)という物質を生後2歳マウスの細胞に注入したところ、生後6ヶ月の状態にまで若返らせることに成功した。

驚くべきことにこの効果を人間に当てはめると60歳から20歳に若返ったのと同等なのだそうだ。

しかし現在各種臨床試験が行われる一方で、なぜかすでにNMN配合のサプリメントが高額で販売され始めている(^^;)。

所詮サプリであり効果は推して知るべしかもしれない。

そもそも将来真の不老不死の妙薬が出現したとしたら我々一般人にたやすく流通したりしないだろう。

全員が本当に不老不死になってしまったら社会構造も相当混乱するだろうし、それはそれで困る人たちが裏で暗躍して‘選ばれしもの’だけが利用できるように画策するかもしれない。

話は変わるが、昨年東京ドームで行われたポール・マッカートニーのコンサートに行ってきた。

2002年、2013年の来日コンサート以来、私自身3回目のポールご拝顔であったが、いつも不老不死伝説を目の当たりにしたような体験を味わう。
オープニングの「エイト・デイズ・ア・ウィーク」の後には、「オール・マイ・ラヴィング」、「ジェット」などの素晴らしい楽曲がこれでもかと繰り広げられていく。

 

さらにビートルズ当時、ライブ活動に疲れ果てた彼らがおそらくコンサートで再現することなど一切考えずにオーバーダビングを重ね尽くして制作した「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」や「ラヴリー・リタ」など、名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の曲目まで生で聴けるとは!

しかも絶対に当時とキーを変えずにがんばってくれる。

本当に生きててよかったと涙腺が完全開放状態である。

時にはステージの中央に一人立ち、ひとすじのスポットライトの中、「ブラックバード」、「イエスタデイ」、「ヒア・トゥデイ」をギター1本で弾き語りをするポール。

あまりのカッコよさに鳥肌が立ち、ドーム全体に歓声とため息が渦巻く。(すいません、この件(くだり)、ビートルズにご興味
のない先生は読み飛ばしてください(^^;)
この尋常じゃないオーラ!! あのビートルズでジョン・レノンと双璧なんだから当然なのだが。

この若さも元気も73歳って絶対信じられない(@_@)。

ギター弾いて、ベース弾いて、ピアノも弾いて・・・ そもそも
三時間も一人で歌い続けられるものだろうか?
「ヘイ・ジュード」そして「レット・イット・ビー」。

ステージ脇のオーロラ・ビジョンにピアノを弾くポールの顔がアップになる。

ふと、1960年代のPV映像を思い出し、若き日のポールと現在のポールが私の頭の中で重ったとき・・・

1968
1968 年 ヘイ・ジュード PV

2013
2013 年 ヘイ・ジュード 東京ドーム
サイコーに元気で不老不死を思わせるポールでもやっぱり年を取ったんだなあ、と感じてしまった。

ポールのようにおそらく最先端そして最高の医療・美容技術を享受できる人であっても、地球上の人間にとって誰にも避けられないもの・・・
―― ポールもあなたも私もすべての人が必ず等しく年を取るということ ――
(注:人魚の肉や不老不死の妙薬が入手困難な現段階では。)
「先生!まだ生きてましたて~(^^) 」

かつてそう言いながらいつもニコニコ元気に診療室に入ってくる麻雀大好きの九十何歳のおばあちゃんがいた。
昔、診療室で笑顔で話しかけてくれた患者さんが、もしも歯が痛いって困っていたら・・・
もしも私が作った入れ歯の具合が悪くて困っていたら・・・
でも診療室まで来ることができなかったら・・・
もう老い先短いし誰にも迷惑かけたくないから我慢しようなんて諦めていたら・・・
そして、もしも逆に自分がその立場だったとしたら・・・?
ポールはきっと死ぬまで世界中の何億人もの人を元気づけてくれるだろう。
きっと私はその何億分の一以下の力かもしれないが、まだまだ人類が不老不死になれないうちは、せめて頼ってくれる人がいたらちょっとでも元気にしてあげられたら・・・なんて、自分自身も年を取ってしんみりとこんな誠実ぶったことを考えている
今日この頃である。
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