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「セルフホワイトニングサロン」なぜセルフ?

2022年11月25日

ネットにあふれる美容系広告。歯が白くなるもの、多いですね。よく目にする歯磨き粉とホワイトニングについてご紹介します。

 

①歯が白くなる歯磨きペースト

まず、日本で市販される歯磨き粉で、歯そのものの色が白くなることはありません。表面についた汚れが落ちるだけ、元々の歯の色に戻るだけ、汚れが落ちればそれ以上あなたの歯が白くなることはありません。高価なペーストを宣伝している歯科医師でもない芸能人と、あなたが直接会う歯医者さんや衛生士さん、どちらを信じますか?ここはぜひ歯科医院に行って歯の色だけでなく、むし歯、歯周病、かみ合わせや歯並びの状態もトータルで診てもらってほしいのです。お口は一つのお部屋。外壁だけピカピカ、中は汚部屋…と一緒です。

 

②セルフホワイトニングサロン

近年セルフホワイトニングなるエステともなんとも言い難い非常に怪しいジャンルの店が増えました。結論から言えばこれはただの「クリーニング」で、「ホワイトニング」ではありません。クリーニングすら怪しいと思います。歯科医院でのホワイトニングは、主に過酸化水素や過酸化尿素という成分を使用します。これらは医薬品であるため、資格を持っていないと扱うことができません。ゆえに歯科医院でしか使用することができず、ホワイトニングサロンで使うことや市販品に含ませることは法律で禁止されています。なぜ「セルフ」なのかというと、日本ではお口の中に触れることができるのは医師、歯科医師、歯科衛生士などの国家資格を持つ人だけだからです。つまり、あの店舗にいるスタッフ、おそらく数日講習を受けただけの人、つまり無資格者が歯やお口の中に触れることは違法行為に問われ、ホワイトニングに医薬品や医療機器を使用することもできず、万一これらを使用した場合、医師法・歯科医師法・薬事法違反に問われることになるからです。法律ギリギリの線で、リスクもないけど効果もないのです。

ホームページを見ると、サロンではまず歯磨きをさせられ→自分で歯に液体をつけ→自分でLEDライトを当て→最後にまた自分で歯磨きをする…「これで\3,000、安い!」なんて思いますか?全部自分でやって効果もないのに。きっと薬品は歯磨き粉にも普通に含まれている酸化チタン、もしくは重曹(重炭酸ナトリウム)でしょう。誰でも安価で入手できますし、当然彼らが言うように「安心・安全」でしょう。ライトの照射も意味不明です。そして歯が白くなることもない。一つフォローするとすれば、喫煙や嗜好品による汚れが酷い人がやれば「白くなった」と思うかもしれません。それでも4、5回通えと書いてある。でも歯石を取らないなら何回通っても歯は白くなることはありませんし、サロンで歯石は取ってもらえません。歯科医院なら数回で終わる処置です。

 

③写真のウソを見抜くこと

医療機関のホームページでは、術前術後の写真掲載についての規制が厳しく、当然加工した写真など虚偽の広告は禁止されています。ですがホワイトニングサロンの広告に明確な規制がないようで写真はほとんどが加工してある虚偽のものと考えていいでしょう。冷静に見れば素人でも分かる写真ばかりです。

 

お口のことで気になることがあれば悩むことなく歯科医院へ。ネットの情報や「友達が言っていた」は信用せず。歯科医師、歯科衛生士に相談してください。

 

新潟市歯科医師会 学術医療管理部 村田容子

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