いかがお過ごしでしょうか。
実りの秋。稲刈りも進み、新米が楽しみですね。
さて、今回はオーラルフレイルについてです。
〇オーラルフレイルとは
口腔機能の衰えを表すオーラルフレイルという言葉をご存じでしょうか。
全身の筋力は加齢とともに低下していきますが、それは口まわりの筋肉においても例外ではありません。食行動にかかわるオーラルフレイルは、日常の精神的・社会的な側面にも相互に影響を与えるため、QOL(生活の質、満足度)を左右する可能性があります。
“オーラルフレイル”とは、口腔の(オーラル)虚弱(フレイル)を表す言葉で、おもに口まわりの筋力が衰えることにより、滑舌や食の機能が低下することです。
オーラルフレイルによって口腔機能が低下すると、滑舌低下、食べこぼし、噛めない食品の増加などの症状が徐々に現れます。
たとえば、歯の喪失により噛めない食品が増えることで、食への欲求・関心が減少し(オーラルフレイルによる心身機能の低下)、それまで楽しみだった家族や友人との外食が億劫になり、自宅でばかり食事をするようになります(オーラルフレイルによる社会性の低下)。このような心身機能、社会性の低下は、さらにオーラルフレイルを進行させることにつながるのです。
〇オーラルフレイルの予防が大切な理由
オーラルフレイルが進行すると最終的に要介護のリスクの高まり、さまざまな病気、薬の種類が増えるといったことにつながることもあるため、口腔機能の維持はとても重要です。
事実、オーラルフレイルの予防・改善によって健康寿命が延ばせると考えられていることからも、オーラルフレイルの予防が提唱され始めており、代謝機能の維持や低下の回避、生活習慣病の発症・重症化予防とともに新たな概念として検討されています。
〇「食べることは、生きること」
私たちの身体は、日々口にした物でできています。口は、栄養の入り口です。また、思いを言葉にし、表情を作って感情を伝えるなど、口は感情の出口でもあり、生活していく上で不可欠な存在です。
それでは
皆様が健口でありますように
新潟市歯科医師会 地域保健部 原 健人